思考の種

日々の着想、思考を記録していく

書くことで考える

書くことで考える

書くことは考えることのトレーニングになる。

なぜ書くことは考えることのトレーニングになるのか?

その理由は以下の3点である。

1.メッセージを意識する

文章を書く力がつくことは、内容のある話ができるようになることでもある。 なぜなら、それは考える力がつくからだ。 書くときには、どれだけ自分の考えに意味があるのかを確認することがポイントになる。 それによって、書くこと自体が考えるためのトレーニングになる。

原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)より

文章を書くということは、何かを伝えるということである。 その伝えたいことは、メッセージとしてどれだけの価値があるものなのかを自問自答する中でメッセージは磨かれ考え方の中核ができていく。

2.頭の中にある情報を整理する

理解していないことは文章にできない

思考を綿密にしていく作業が、書く作業にはともなう。 だから、書くことで脳は鍛えられる。

原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)より

なんとなく理解していると思っていても、実際には理解できていないということは多々ある。 本当に理解しているのかということは文章を書くことでハッキリする。 文章を書くための思考を綿密にしていく作業において、真に理解していることと、そうでないことが明らかになるのである。

思考のループを抜け出す

頭の中だけで思考をすると同じような考えを繰り返し、考えが前に進まない。 この問題を解決するためには考えたことを頭の外に書き出すという行為が有効なのである。 考えを文字にして書き出すことで多面的に捉えることができる。

書き出したテーマに関して何度も思考する

ここでは立体的に思考するということが大切である。 具体と抽象を行き来し、その中でアナロジーを見出す。 拡散と収束で思考を練る。 トップダウンボトムアップを繰り返すことで思考をシェイクして深みを出していく。 これらの方法を繰り返し、視点の高度や方向性を意図的に変えていくのである。

3.全体の構造を意識する

400字詰め原稿用紙で四~五枚のものなら、思いつきで書けてしまうことがある。 しかし、10枚以上のものになると、書きはじめる前に、十分に「構築」をしないと書ききれなくなる。

原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)より

全体構造を意識することで話の繋がりを意識するようになる。

話の繋がりを意識することで論理的に思考する訓練になる。

全体構造を意識した論理展開ができるようになると、意図した寄り道ができるようになる。

これは、文章の繋がりを意識しアウトラインが見えていることで話が脱線しても、話の本筋に戻ることができるようになるためである。 この意図した寄り道の能力が身につくと、日々の会話やプレゼンにおいても絶大な効果をもたらす。

ところで「文章が書ける」とはどういうことなのか?

「文章が書ける」を定義する

私の感覚では400字詰め原稿用紙1枚が1キロにあたる。 10キロをいきなり走れと言われたら、ほとんどの人が尻込みするだろうし、まず走れない。 しかし、トレーニングをこなせば、10キロ程度ならだれでも走れるようになる。 この10キロ走るという経験と、走れたという自信がもっとも大切なのだ。 私は、書くことにおいては、原稿用紙10枚という長さを書けるかどうかが分岐点だと思っている。 そして原稿用紙10枚を怖がらない人を「文章が書ける人」と定義している。

原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)より

原稿用紙10枚を書けるようになるということはどういうことか?

原稿用紙10枚を書けるようになるということを言い換えれば、1つのテーマで4,000字書けるようになるということである。

「文章が書ける」ようになるには?

4,000字の文章を難なく書けるようになるには基礎トレーニングが必要である。

文章を書くための基礎トレーニング

3つのプロセスでの文章構築

文章を構築する3つのプロセス

1.書きたいテーマ(もしくは気づき、主張)を見つける

書きたいテーマの候補を見つけるために日々の経験や着想の断片を集める。 着想を逃さないためにメモを取るのである。 そのため、どのような状況でも10秒以内にメモをとれる用意をしておく。 手段はアナログデジタルを問わない。 それどころか、文字である必要もない。 写真や音声による記録も立派なメモである。 大切なことは必ず記憶ではなく記録に残すということだ。

たった数日でも記憶は暖昧になる。 たった数時間でも記憶は薄れていくのです。 だからこそ、記憶力に頼らず、時間がたっても腐らないメモを書く技術が必要です。 そう、いつでも、メモを見るだけでそのときの発言やポイントが思い出せて、何を考えるべきかが、すぐにわかるメモ。 未来の自分に、考えるきっかけを残すメモを書くべきなのです。

仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。より

メモは一箇所にまとめて保管する。

メモの一元管理の場としてのEvernote

Evernoteを使用する理由は以下の3点である。

1.あらゆる形式のデータをひとまとめに保管できる アナログメモ、デジタルメモ、ウェブクリップ、写真、音声…等の全てを1つの形式で1カ所に管理し、あらゆるデバイスでアクセスするということを考えると現時点では、Evernoteの1択であると思われる。

2.優れた検索機能 着想や経験などのネタの断片を集める段階においては、将来的にどのように活用されるか定まっていないものも多く、その時点ではクラスタリングや階層化できないものが大半である。 Evernoteは検索機能が優れているので、ネタの断片はとりあえずEvernote内に溜め込んでおき、然るべきときに検索をかけることで再浮上させるという方法が上手くいく。

3.コンテキストによる関連情報の検索 Evernoteのコンテキスト機能とは各ノートに関連するノートや記事を自動的に表示するというものである。 この機能により、過去に書いた着想の断片やクリップした記事、時事などの情報と思いがけず出会うというセレンディピティを期待できる。 そして、このセレンディピティは思考に良い刺激を与えるのである。

一定量の着想の断片が溜まったら書きたいことのテーマを決める。

2.テーマから3つのキーコンセプト「言いたいこと」をつくる

テーマから何を主張するのかを明確にし、3つのキーコンセプトを打ち立てる。 つまり、何をメッセージとしたいかをハッキリさせるということだ。 前述のように、このプロセスも考える力をつけるトレーニングになる。 集めた情報や着想という土台の上に、主となるメッセージである3つの柱を立て文章の建築を次のステップへと進める。 ここで注意すべきことは3本の柱の距離である。 即ち、3つのキーコンセプトがあまりに近しい内容であると、出来上がる構造物は狭いものになってしまい、安定感にも欠けるということだ。 逆に3つのキーコンセプトが遠く離れた内容であれば、話の内容が広く展開する大きな建築物が建てられるが、その場合にはそれぞれの柱を繋ぐためのスキルが書き手に求められる。

3.キーコンセプトを結び付けて文章を構築する

キーコンセプトを結び付けるには、「起承転結」のうちの「転」を意識するとよい。 アウトライナーを使用してセンテンスを移動させたり、言い換えたりすることも効果的である。 これらのプロセスを経て、形となった文章をアウトプットする。

このようなアウトプットを繰り返し行うことで、書く力だけでなく、自分の頭で考える力や口頭で伝える力が鍛えられていく。